脊椎・脊髄の疾患について

2024年4月脊椎脊髄センター新設！

脊椎脊髄センター長大友望

慢性的な背中の痛み、腰の痛みなど、お困りの症状、ご相談ください。
患者様の症状や「スムーズに歩きたい」「日常生活の質を高めたい」といった個々のニーズに合わせて、手術や保存療法も含めた中から、最適な治療を最適なタイミングで提案していきます。痛みやしびれの正体を知り、納得のいく治療が受けられるよう、まずは一度ご相談ください。

脊椎・脊髄の疾患について

脊椎、体を支えると同時に神経の通り道です。障害が生じると、神経痛やしびれ、運動障害など、日常生活や社会生活に支障をきたす場合があります。正しい診断と治療により、腰椎や頚椎などの脊椎疾患でお困りの方のお悩みを解消します。

頚椎症性脊髄症（頚髄症）

頚椎部分で脊髄（頚髄）が圧迫される疾患で、上肢や下肢のしびれや筋力低下を生じます。症状が進行すると、箸での食事が難しくなったり、書字がしづらくなったり、歩行がおぼつかなくなったりします。これらの症状は、リハビリテーションや内服で改善すると勘違いされることもありますが、実際には症状が進行すると例え手術をしてももとのように生活をするのは難しくなってしまうことが多いです。もしこのような症状が出現している場合には、早期にご相談ください。
頚椎後縦靭帯骨化症/黄色靭帯骨化症

脊椎は複数の靭帯で補強されており、脊髄の前側（椎体の後側）には後縦靭帯が、脊髄の背中側には黄色靭帯という靭帯が存在します。それぞれの靭帯が骨のように硬くなり、分厚くなる病気が頚椎後縦靭帯骨化症/黄色靭帯骨化症です。頚椎症性脊髄症と同じような神経症状が出現することが多いですが、転倒などの外傷を契機に、急激に上肢や下肢のしびれや麻痺などの神経症状が悪化する場合があり、注意が必要です。レントゲンのみで診断をされてしまう場合もありますが、CTやMRIでの正確な評価をしておくことが望ましいので、是非ご相談ください。
胸腰椎圧迫骨折

脊椎が衝撃によって圧壊する（つぶれる）骨折のことで、主に骨粗鬆症という骨密度が低下している病態が背景にあることが多いといわれています。
高齢者に多く、尻もちや転倒などの軽微な外傷や、咳やくしゃみを繰り返す程度の衝撃でも、骨折をしてしまうことがあります。主な症状は腰背部の痛みですが、骨折した椎体が神経を圧迫することにより、下肢の痛みやしびれ・筋力低下、歩行障害をきたすこともあります。腰痛が軽度の場合はコルセットの着用など保存加療で症状の軽快が期待できますが、腰痛が強く日常動作に支障をきたしたり、腰痛が遷延したりしている場合、また下肢しびれや歩行障害などの神経症状をきたしている場合は手術をうけることをおすすめします。
腰部脊柱管狭窄症

主に加齢が原因で骨・椎間関節・椎間板・靭帯などが肥厚し、神経が通るスペース（脊柱管）が狭くなることで、馬尾と呼ばれる臀部や下肢の運動・感覚機能や排尿・排便を支配する神経が圧迫されます。そのため下肢の痛みやしびれ・筋力低下、歩行障害、排尿・排便障害などの症状が出現しますが、これら神経の障害は一般に進行性です。ご本人が自覚できる程度まで症状が進んだ場合には、馬尾神経を圧迫されたまま放置するとことになり、今後さらに症状が悪化すると考えられます。症状が軽度な場合には内服やリハビリテーションで症状の軽減が期待できますが、下肢のしびれが強かったり、歩行障害があったり、症状が重度の場合は手術をうけることをお勧めします。
腰椎すべり症

主に加齢などによる椎間板の変性、椎間関節周囲の靭帯や筋肉の緩みにより、椎体や椎間関節にずれが生じる状態を、変性すべり症といいます。
また、思春期の過度な運動による腰椎疲労骨折の治療が不完全であった場合に生じる腰椎分離症を原因としたすべり症もあり、これを分離すべり症といいます。
腰痛や、腰部脊柱管狭窄症と同様に下肢の痛みやしびれなどの症状が出現します。症状が弱い腰痛など軽度の場合にはコルセットや内服などで症状の軽減が期待できますが、強い腰痛や下肢のしびれなど重度の場合は手術が必要となります。一般的に、すべり症の手術にはインプラント（金属）が必要と思われがちですが、必ずしもそうではなく、インプラントを使用しないで手術できる場合もありますので、ぜひご相談ください。
腰椎椎間板ヘルニア

椎体と椎体との間でクッションの役割をしている椎間板に負担がかかり、椎間板内部にある髄核という組織が飛び出すことで神経が圧迫されます。神経が圧迫されることで、腰痛や下肢の痛み・しびれ、筋力低下といった神経症状が出現します。腰椎椎間板ヘルニアの患者さんのうち50－80％は発症から3か月以内に自然軽快することが多いと言われています。しかし、たとえ発症したばかりでも症状が強い場合や、3か月以上神経症状が改善しない場合などは、治療を要します。当院では手術も行っておりますが、体にメスをいれることなく注射でヘルニアの縮小をはかる治療も行っております。

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