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除圧術と固定術
脊椎の手術は、「除圧術」と「固定術」の2つに大きく分かれます。除圧術は、圧迫を受けた神経の通り道(=脊柱管)を拡げることを目的に、神経の屋根の骨(=椎弓)を削ることにより、神経の環境を改善させる術式になります。主な適応として腰部脊柱管狭窄症が挙げられます。
一方で、「固定術」は神経圧迫のみならず、脊椎に不安定性がある場合や、背骨全体が変形した場合に対して、脊椎の配列を矯正・安定させることを目的に行われる術式です。主な適応として、腰椎すべり症、腰椎分離症、脊椎側弯症・後弯症が挙げられます。一般的には椎弓根スクリューという固定具が必要であり、後方(背中の傷)から脊椎に設置します。
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内視鏡下腰椎椎体間固定術とは?
腰椎椎体間固定術は、腰椎と腰椎の間にある傷んだ椎間板組織を切除し、術中に採取した骨や椎体間ケージと呼ばれる人工物を移植する術式です。
近年、脊椎手術の分野では内視鏡技術の進歩により、身体への負担をできるだけ抑えた低侵襲手術が広く行われるようになってきました。当院では、脊椎内視鏡手術の一つであるUnilateral Biportal Endoscopy(UBE)を導入し、腰椎椎体間固定術にも適応しています。
従来の背部を大きく切開する固定術と比較して、皮膚切開が小さいのみならず、筋肉の損傷を最小限に抑えることが可能となります。術後の疼痛が少なく、入院期間の短縮・早期社会復帰が早いのが利点です。
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術式の詳細
左右に経皮的にスクリューを挿入する小切開を4箇所設けます。この小切開を用いて、筋肉の隙間から内視鏡(カメラ)と手術器具を挿入し、神経の除圧や椎体間操作を行います。最後に、スクリューを設置し、腰椎の不安定性を制御します。一般的には術翌日から歩行可能で、術後5-7日程度の入院を要します。従来の固定術同様に装具を術後3-4ヶ月着用いただき、術後6ヶ月は腰部に負担がかかる運動はお控えいただいています。
UBE固定術の実際
従来の手術法では患部を大きく切り開く必要がありましたが、UBE固定術では小切開を設け、筋肉の隙間から内視鏡操作およびスクリュー設置するため、筋肉へのダメージを大きく軽減できます。
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注意点
神経の圧迫が高度な場合、腰椎の変形や骨粗鬆症変化が強い場合は、本手術の適応外となることがあります。また、椎体間への骨移植にあたり、採取した骨の量が不十分な場合は、小切開にて骨盤から骨を採取することがあります。
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代表症例(76歳 女性)
両下肢痛による歩行障害のため受診されました。200mの歩行も困難になり、第4腰椎変性すべり症の診断にて、UBEを用いた内視鏡下腰椎椎体間固定術をしました。術後下肢症状は消失しています。術後MRIでは、脊柱管が拡大されていることが確認できます。